030534 ランダム
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Hobby the world?

Hobby the world?

壱話


「三爪痕を知っているか」

それが、僕が最初に聞いた死の恐怖の声だった

「三爪痕?

BBSでよく見かける、蒼炎を纏ったPCのこと?」

「ああ」

「彼を探して如何するの?」

僕は、率直に思ったことを口にした

彼を探して何が得られるというのだろうか

僕が知ってる限りの情報を死の恐怖に教える義理はな


だから、僕はあえて、目的だけを聞くことにした

「テメェには関係ないことだ」

「うん。確かに僕には関係ないことかもしれない

でも、何で、君が三爪痕を探しているのかぐらい知る
権利はあると思うよ

一応は、僕も三爪痕を探してるから」

「なに?」

「三爪痕は、僕の知り合いかもしれないから

それに彼には聞きたいことがある」

「はぁ?」

「何、馬鹿なこと言っているんだって思っているでし
ょ?

でも事実なんだ

僕は、三爪痕を探してる」

死の恐怖が僕を如何思おうとも気にはしない

あの頃の僕はそう考えていた

しかし、僕が死の恐怖と出会ったことにより、二つの異なる運命の歯車は、噛み合ってしまったのだ

そうして、僕と死の恐怖との間に切っても切れない縁が結ばれた








「そうだった
自己紹介がまだだったね
僕は、PKKの虚無の堕天使シュトラール」

「……ハセヲ」

「そうか、芭蕉か…君に似合う名かもしれないね」

「芭蕉?」

「うん。どこの言葉かは覚えてないんだけど、芭蕉の花を『ハセヲ』って言うんだってだから、僕は、君を芭蕉と呼ぼう」

「普通に呼ぼうって気はないのかよ」

「普通がよかった?」

「何で違う名前で呼ばれないといけないんだよ。ゲームの中での名前なのに」

「それもそうかこれから、よろしくね。ハセヲ」

「ああ……って、これからって何だ!?」

僕は、ハセヲが文句でも言いたそうな返事をするのは、予想がついていた

「僕のメンバーアドレスあげるよ
何か情報が入ったら教えて
僕も入ったら教えるから」

「…わかったよ」

こうして、僕と彼――シュトラールとハセヲ――との間で三爪痕協定が結ばれた








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